第3回 プラークの話 〜その2 なぜ歯磨きをするの?〜

新潟大学歯学部 野杁由一郎

前回、デンタルプラーク(歯垢)の正体についてお話しました。簡単に言うと、デンタルプラークは細菌の塊です。

では、1グラム(湿重量)のデンタルプラークにはどれぐらいの細菌がいる?

なんと1000億個の細菌がいます。しかも1種類ではなく、たくさんの種類の細菌がそこにいます。驚かれるかもしれませんが、私たちの歯の表面には天文学的な数の細菌が何種類も棲みつき、塊を形成しているのです。だから、毎日2~3回ほど歯磨きをすることが必要になるというわけです。

デンタルプラークの中にはいろいろな種類の細菌がいます。

歯磨きを終えたら、プラークが残っているところがないかをチェックしたいところです。残念ですがプラークは目に見えません。

そこで簡単な方法があります。舌で歯の表面をなでるのです。ザラツキを感じるところがあれば、それはデンタルプラークです。反対にプラークが落ちていればツルツルした触感です。ブラッシングの前後で確認すれば、自身のブラッシングの良し悪しをセルフチェックすることもできます。ザラツキが残っていたら追加でブラッシングをしてください。

デンタルプラークをうまく除去できないと、どうなるか?

むし歯や歯周病の主因となります。デンタルプラークのほか、食べカスも除去する必要があります。これが細菌のエサになって、さらに細菌を増やしてしまうからです。

繰り返しますが、デンタルプラークは細菌の塊で、むし歯やそれに続く疾患および歯周病の主因となるものです。だから歯磨きでそれらを取り除く必要があります。また、その細菌を増やしてしまう食べカスも、歯磨きでしっかり取り除くことが重要です。

【家庭でのブラッシング】

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